研究者・学生の方へ

ごあいさつ

皮膚科学の最前線で、一人ひとりの能力を存分に発揮。

皮膚科学は、近年急速にその診療と研究の幅を拡げてきました。その特徴は、一人の医師が皮膚をキーワードに内科的、外科的アプローチはもちろん、病理組織学、免疫学、生化学、細胞生物学を初めとする幅広い学問領域を踏まえ、多種多様な診断、検査、治療、そして基礎研究をカバーすることにあります。かつては記載皮膚科学という言葉に表されるように、皮膚科学はとにかく目で見える形を記載し、分類することを得意とする学問でしたが、今日では著しい分子生物学の進展を受け、またたくさんの新しい治療法も登場して、エビデンスに基づく論理的でダイナミックな診療科へと成長しつつあります。しかしその一方では、皮膚科学は視診、問診、触診という、臨床医学の基本的診察形態を頑ななまでに守り続けており、専門化、分業化、そして医療機器への依存性の進む今日の医療形態において、他のどこよりも医の原点に立脚した学問領域としての役割も担いつつあると思います。

皮疹を見てその中で起きている組織像を思い浮かべ、組織像を見て皮疹の状態を理解し、最適の治療を検討するというプロセスは毎週のカンファランスにおける基本姿勢です。また診療の場では皮膚を通してその人の全身の状態、さらに心の状態まで把握することも私たちの大切な役割です。

当教室では、中四国地方の基幹病院としてあらゆる皮膚疾患に対応する体制を整えていますが、特に蕁麻疹、アトピー性皮膚炎を初めとするアレルギー性皮膚疾患、悪性黒色腫を初めとする皮膚悪性腫瘍、広範囲熱傷、ならびに膠原病については、常に現在の医療の限界を突破すべく先進的、探索的医療への取り組みを続けています。そしてこのような新しい医学の発展のためには、ぜひとも医師以外の研究者や実験を補助する人達の協力や連携が必要です。当教室には、常にそのような研究者、ならびに博士課程および修士課程の学生が在籍、あるいは出入りしてきました。このことは是非今後とも継続し、臨床医と基礎研究者、そして事務職員が協働して人が育ち、世の中に次々と良い仕事が発信される教室を目指したいと思っています。

また、私たちの任務は大学病院に留まらず、医学部および関連する医療系学部での教育と、主として広島県内に位置する関連施設での皮膚科診療をも担っています。入局された皆さんは、一定期間広島大学病院で研修を重ねた後、それらの関連病院、大学院、あるいは国内外の関連施設への留学など、さまざまな道を歩むことになります。当科では、教室員が大学以外の関連施設に勤務している間も、弛むことなく質の高い研鑽を積むことができるよう、レジデントを主たる対象とした検討会やセミナーを充実させています。

このように、私たちは世界トップクラスの研究者、あるいはゴッドハンドと賞されるような優れた技能を持つ臨床医を目指す人から、自分の力に合ったささやかな職場を求める人まで、多様な人材を求めています。誠実で、意欲溢れる皆さんを歓迎します。

広島大学大学院医歯薬保健学研究科 皮膚科学 教授 秀 道広